ここが変わる!!日商簿記検定試験(2級・3級)のネット試験について【いつでも受験が可能に】

先日(9月10日)、日商簿記検定の主催である日本商工会議所は、2020年12月を目処に、試験方式を従来のペーパー試験に加え、ネット試験を追加することを発表しました。

そして、9月18日に新たな情報が追加されましたのでお知らせいたします。

ネット試験追加の背景について

ネット試験の追加が決められた背景には、猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の影響により、「先の見通しが立たない」「新しい生活様式への対応」があります。

先の見通しが立たない

2020年6月の試験で検定創設以来、初めての試験中止という大きな出来事がありました。今後も先の見通しは難しく、いつこれまで通りの試験方式で実施できるかが明確ではありません。また、ただでさえ受験者が多い日商簿記検定なので、試験会場の確保もかなり困難だと思います。

このような背景から、日本商工会議所はネット試験の追加を早くから検討されてきたのでしょう。

ちなみに、日本商工会議所は、もともと「時代への対応が素早い」・「先を見通した判断を行っている」素晴らしい組織だと思います。最近の話だと、2019年度から急速に進展する「IT社会に対応できる人材育成」を目的として「日商プログラミング検定」を創設したりしています。

また、これからは三言語を学ぶ時代として、「英語(人と人を繋ぐもの)」・「プログラミング(人とコンピューターを繋ぐもの)」・「簿記(人と企業を繋ぐもの)」をあげているのです。

このように、急速に進展するIT化への対応として、いち早く「新たな試験形式」に踏み切った背景があると感じています。

新しい生活様式への対応

コロナ禍となり、街へ出向けば「マスク着用」・「手指の消毒」・「ソーシャルディスタンス」と、私達の生活は一変してしまいました。

仕事では、「リモートワーク」・「ビデオ会議」学校でも「オンライン授業」とさまざまな場面でWEB形式での対応が取られています。

これまで、普通ではなかった手段が当たり前となった今では、今回導入予定の「ネット試験」も当然のように感じられるものと思います。

ネット試験で大きく変わること5つ

それでは、本題に入ります。今回のネット試験で大きく変わることを5つ紹介していきます。

これからは「ペーパー試験」と「ネット試験」

ネット試験が導入されることになっても、これまでのペーパー試験はそのまま継続されます(6月・11月・2月の年3回)。ただ、ネット試験はペーパー試験の補完的位置づけとなるため、やはりペーパー試験の方が本当の意味での試験合格を示すものになりそうです。ちなみに、ネット試験合格の場合は、デジタル合格証が交付されます。

とは言っても、履歴書等には問題なく、「日本商工会議所主催簿記検定試験●級合格」と書いて問題ないと思います。

ネット試験は自宅不可!テストセンターで受験

ネット試験は「CBT方式(コンピュータを利用した試験方式)」で実施されます。ただし、自宅のPCからの受験は出来ず、商工会議所が認定した全国100ヶ所の「テストセンター」で受験することになります。(9月現在テストセンターの詳細は不明)

ネット試験の試験問題は受験者ごとに異なる

上記において、ネット試験は「CBC方式」であることに触れましたが、試験問題への回答は、PC上で解答を入力していくことになります。そして、その試験問題は受験者ごとに異なるようです。

難易度は統一されるものと思いますが、自分にとっての得意分野・苦手分野がある場合、その時の試験問題によって合格はかなり左右されそうです。そうならないためにも、全範囲しっかり理解して試験に挑むのが望ましいでしょう。

ネット試験は随時受験可能

ネット試験は、決められた試験日が設けられていないため、自分が受験したいタイミングで受けることが可能です。そのため、自分の学習理解が深まった段階で受験すると良いでしょう。ただし、ある程度は「○月に3級を受験する」「△月に2級を受験する」といった自分なりの目標・計画を立てるようにして下さい。

試験時間が短縮される

試験時間についてですが、これまでの試験では、2級・3級ともに120分という時間で実施されてきました。それが、ネット試験導入にあわせて、2級→90分(30分短縮)、3級→60分(60分短縮)となるようです。

この試験時間短縮に伴い、出題範囲・出題形式も変更されるようです。後日、サンプル問題が公開されるようなので要チェックです。

なお、今後開催予定の2020年度のペーパー試験(11月15日(日)・2021年2月28日(日))までは、これまで通りの2級→120分、3級→120分で実施されますのでご注意下さい。

まとめ

このように、ネット試験が導入されることになり、日商簿記検定は大きな変更が加わることは間違いなさそうです。

  • これからは「ペーパー試験」と「ネット試験」
  • ネット試験は自宅不可!テストセンターで受験
  • ネット試験の試験問題は受験者ごとに異なる
  • ネット試験は随時受験可能
  • 試験時間が短縮される(出題範囲・出題形式も変更)

なお、今回の記事をまとめた、日本商工会議所の記事内容はこちらになります。

「日商簿記検定試験(2級・3級)」へのネット試験方式の追加について>>

また情報が入れば更新していきたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

投稿者プロフィール

Mitch
Mitch
元簿記教員&FPの人。YouTubeで日商簿記の解説動画「ボキいろは」というチャンネルを運営しています。多くの方に観ていただき、学習のお役に立てれば嬉しいです。Twitterでは簿記の他、FPとしてお得な情報を発信していきます。

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