日商簿記2級ってどんな資格なの?
日商簿記2級は、転職サイト等が実施する「企業が求める資格ランキング」においても堂々の1位になるなど就職や転職にとても有利な資格です。
また、多くの大学の商業科・経済学科などの推薦入試の基準となっており、推薦入試にも使える資格となっています。このように、多くの場面で活躍してくれる素晴らしい資格といえます。
なお、日商簿記2級は、3級で学習する「商業簿記」に加え「工業簿記」という科目が加わることになります。つまり、「商品販売業」の簿記の知識に加え、「製造業(メーカー)」についての学習をしていくことになるため、幅広い業種の知識を得ることが出来ます。
商業簿記と工業簿記の違いについて
<商業簿記>
完成している商品を仕入れて売る会社(商品販売業)の記帳方法
<工業簿記>
材料を仕入れて製造したものを製品として売る会社(製造業)の記帳方法
日商簿記2級のレベルについて
日商簿記2級のレベルについて、検定主催者の日本商工会議所は下記のように記載しています。
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。
日本商工会議所HPより
簡単にいうと、「高度な商業簿記の知識と工業簿記の知識を得られるため、幅広い業種での適切な会計処理・分析が行えるレベル」となります。3級のレベルには、「分析」という文言が出てきておらず、この点からも2級のレベルの高さが伺えると思います。
2級の合格率は20%程度なので難易度はかなり高いです。また、2019年度の試験から試験範囲の改正が行われ、これまで1級の範囲だった内容が2級の範囲となったり、一段と範囲が広くなっています。
ただ、今回改正された内容は、「リース取引」や「外貨建取引」など実務においても役立つ項目が多く、学習すべきものばかりです。
なお、「学習のしやすさ」を考えると未知の学問を学ぶ3級よりも2級の方が学習しやすいのは間違いありません。試験範囲が広くなり、覚えることも多くなりますが、各項目を1つずつ理解する学習をしていけば、問題なくこなせる内容ばかりです。
3級とのダブル受験も可能
日商簿記2級と3級の試験時間は午前と午後で異なりますので、少しヘビーですがダブル受験も可能となっています。チャレンジできる方はぜひ2級と3級のダブル合格を目指してみましょう。
日商簿記2級の基本情報について
日商簿記2級を学ぶうえで知っておきたい基本情報は下記のようになります。
基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
科目 | 商業簿記・工業簿記 |
試験日程 | 6月・11月・2月の年3回 |
試験時間 | 120分 |
時間帯 | 午後 |
受験料 | 4,720円(税込) |
合格基準 | 70点/100点 |
合格率 | 20%~30%程度 |
過去最高合格率 | 47.6%(第133回) |
過去最低合格率 | 5.7%(第107回) |
受験者数 | 5万人~7万人程度 |
勉強時間目安 | 200~250時間 (資格の学校TAC「よくあるご質問」より) |
主な学習内容 【商業簿記】 | 銀行勘定調整表 有価証券 手形・電子記録債権の裏書譲渡 各種引当金 債務の保証 無形固定資産 投資その他の資産 リース取引 外貨建取引 税効果会計 本支店会計 連結会計 |
主な学習内容 【工業簿記】 | 費目別原価計算 個別原価計算 総合原価計算 製造原価報告書 標準原価計算 直接原価計算 CVP分析 工場会計の独立 |
問題構成
問題構成 | 出題内容 | 点数配分 |
---|---|---|
第1問 【商業簿記】 | 仕訳問題 | 20 |
第2問 【商業簿記】 | 伝票会計 銀行勘定調整表 株主資本等変動計算書など | 20 |
第3問 【商業簿記】 | 精算表作成 損益計算書・貸借対照表作成 本支店会計など | 20 |
第4問 【工業簿記】 | 費目別原価計算 部門別原価計算 個別原価計算 本社工場会計など | 20 |
第5問 【工業簿記】 | 総合原価計算 標準原価計算 直接原価計算 CVP分析など | 20 |
合計 | 100 |
ちなみに、当サイトでは「ボキいろは」という日商簿記の基礎を無料で学べるYouTubeチャンネルを運営しております。現在は3級のみの配信となっていますが、今後2級の内容も順次追加していく予定です。